ガス軟窒化処理gas soft nitriding

ガス軟窒化とは?

ガス窒化炉

ガス軟窒化処理とは、耐摩耗性、耐焼付性、耐疲労性などの向上を目的とした表面硬化法で浸炭性ガスとNH3(アンモニア)の混合雰囲気中で、550〜600℃の温度範囲を保持することにより、窒素と炭素を侵入拡散させ表面に炭窒化物を形成させます。
塩浴窒化(タフトライド法)も炭素と窒素の拡散を利用した処理であり、両者は全く類似のものと考えてよいですが、塩浴窒化はシアン酸塩を使用するので公害防止対策に労力を要します。一方、ガス軟窒化は無公害です。

ガス軟窒化炉の有効寸法

・有効寸法 直径1000×2000L   ・最大処理重量 2トン

ガス軟窒化の特徴

・耐摩耗性、耐焼付性、耐疲労性が良好。
・処理温度が低く歪が少ない。
・塩浴軟窒化に比べ窒化ムラが少なく表面の肌荒れがない。
・ポーラスの無いきれいな表面に仕上がるため耐食性の向上が行われる。
・公害防止対策が不要。

ガス軟窒化の断面

断面1 断面2
SCM435 570℃×130M
化合物層 15μm
硬化深さ 0.2mm(HV400up)

FCD500 570℃×180M
化合物層 10μm
表面硬さ HV960up

ガス軟窒化の表面硬さ(参考)

鋼種 材質 表面硬さ(HV)
窒化鋼 SACM645 900〜1200
クロムモリブテン鋼 SCM各種 600〜800
熱間ダイス鋼 SKD61 1000〜1200
冷間ダイス鋼 SKD11 1000〜1200
炭素工具鋼 SK3,SK4他 550〜650
機械構造用炭素鋼 S45C,S50C他 450〜600
一般構造用圧延鋼材 SS400他 400〜550
ねずみ鋳鉄 FC,FCD他 600〜700

処理製品実績

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